[閑話休題]「自治」について
自治について考えようとする場合にも、今の時代は世の中の動向を地球的規模のスケールで視野に収めていくことが必要ですが、
地球全体に目配せしていこうとするとあれやこれやとあり、場合によっては価値観が相反したりすることもあって、
自分の頭の中でそれらをどう取りまとめ、一つの筋道を立てていくかを考えることは本当に大変なことであります。
一つの考えを表明するとこれに反駁したり、いちゃもんをつけたりするような意見が必ず出てくるわけですが、
そのわずらわしさに耐えられなくなるのか、有識者と言われる人の中にも適当なことを言ってお茶を濁そうとする人が後を絶えることなく出てくるようになってきました。
しかしそれは有識者としての自恃や節度を放棄していくということであり、
最近にも某著名な脳科学者が「何度でも手のひらを反す」なんてことを臆面もなく公言しておりました。
この人の言い分は、世の中は多様性に富んでいるのだから、物事を観察するにも常に視点を移動し、一つの立場にこだわらずに柔軟に対処していくべきである、というようなことなのですが、
「手のひらを反す」とは、固定観念にとどまらず既成概念にこだわることなく柔軟に物事を観察し考察していくという意味ではないだろうと、単純に思うわけです。
このように言葉あるいは慣用的な言い回しの意味を混乱に導くような有識者の在り方は知的世界の退廃現象を顕していて、それが今日の社会の様相を混乱させていくひとつの原因ともなっています。
それはと…