新企画のお知らせ

別のブログ「モノ・語り」で新企画「初期「私小説」論」を開始しました。 投稿は毎週1回の予定。今のところ前口上です。 下記からアクセスしてください ブログ 「モノ・語り」

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2024年 頌春 能登半島地震被災見舞い

石川県珠洲市・輪島市ほか、地震により被災された北陸の皆様へ、 心よりお見舞い申し上げます。 一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。 下記URLのブログにて新企画準備中 私小説――極東アジアが創造した現代文学(仮題)

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坂口安吾と小林秀雄の昭和23年の対談から

坂口安吾と小林秀雄が昭和23年に対談した時の記録に、坂口の大変興味深い発言があります。 「つくる」という言葉をキーワードに、小林の“思想”の本質を衝くとともに、人間の生き方についての遠くまで視距離の延びた提言であると私は受け止めましたので、 ここにその箇所を紹介して、現代の私たちにとっての「自治と自由」をめぐるヴィジョンの手掛かりとしたいと思います。 「つくる」という言葉に「自治(自ら治める)」という意味を重ねて読んでいただけると、これまでここに書いてきたことの趣旨がいささかなりとも了解していただけるかと思います。 〈以下、引用〉 坂口(安吾) そうなんだ。だから、小林さん、描写とかリアルとかいう問題じゃないんだよ。人生自体が作る物だと思うんだよ。つくったものが真実だということではありません。規矩に対する絶望でもない。結局自分の生れたということ、そして、そのために生きざるを得ないことを信仰せざるを得ないのです。五十年しか生きられない人生というものは、僕は決して規矩に近づくためのものでも真実を発見するためのものでもなくて、何か作るところのあるものだと思うんだよ。文学も人生と同じものだと思うんだよ。 小林(秀雄) そんな事を言えば、作るものでもいいし、写すものでもいいさ。 坂口 いや、写しちゃいけない。 小林 写すことも作る一法さ。 坂口 フランスでも、作る物だというハッキリした観念は、まだ樹立されてないんじゃないかと思うんですよ。 小林 そんなことないでし…

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